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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠3(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 214,131 字 · 423 頁

青空文庫

「ははあ、石碑の受売りか。その石碑もまた相当に古色があって面白い、年代はいつごろだろうか知ら」

「よく年代を知りたがる人じゃ」

「ええ、明暦とある、肝腎の年号の数字のところが欠けていて見えない、明暦も元年から始まって三年まである、厳有院様の時代であって、左様、今から考えると、ざっと二百年の星霜を経ている」

「してみると、その歌もその時代に咏まれたものであろう」

「いや、もっと調子が古いわい、江戸時代の産物ではない。いったいこの笹子山は一名坂東山といって、古来、関東で名のある山、日本武尊以来の歴史がある」

「なるほど、してみるとその歌は、日本武尊がお咏みなされたお歌ではないか」

「違う、日本武尊時代にはこんな和歌は流行らなかった」

杉の根もとで勝手な考証を試みています。

「古来、この道を軍勢が通る時は必ずこの杉に矢を射立てて、山の神に手向けをして通るならわしになっていた」

「我々もその古例を追うて、弓矢の手向けをして行こうではないか」

「我々のは、甲州を治めに行くので、征伐に行くのとは違う、それ故、弓矢の手向けをするにも及ぶまい」

「天文十六年の事、原美濃守がこの関所を千貫に積って知行している、もし武田勝頼が天目山で討死をせずに東へ下ったものとすれば、この峠が第一の要害になったのであろうけれど、このことなくして止んだから、この