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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠3(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 214,131 字 · 423 頁

青空文庫

能登守が、そこで水を飲んでいる何者かを見かけて声をかけた時は、その者は鼬のように山の中へ駈込んでしまいました。

その駈込んだところを誰もチラと見たものですから、それと言ってバラバラと追いかけます。

それからの一行は、写生帖も史蹟の話もなくてその怪しい者を捕えるべく、前後左右から遠網にかけるようにして、峠を下りついたところが駒飼の宿であります。

駒井能登守の一行がこの怪しの者を、駒飼の宿に近いところまで追い卸した時分に、それとは逆に甲州街道を、鶴瀬から本陣の土屋清左衛門の許を立って、お関所を越えて駒飼の方へ行く一行がありました。これも槍を立て数人の供を引きつれて東に下るものと見えました。これは供揃いはさほどでなかったけれど、乗物を三つも並べたところが物々しい。その三つの乗物のうちの一つには人がいたけれど、あとの二つは空でありました。その一つに乗っている人というのは神尾主膳でありました。してみれば、明いている二つの乗物の用向も大抵わかる。主膳は遊山がてらにお絹お松の一行を迎えに来たものと見てよろしい。実は笹子峠のこちらまで迎えるつもりであったのを、どうしてもこの峠を越し大庭まで行かなければならなくなった事情が出来たものでありましょう。