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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁

青空文庫

弁信法師は、ここに至ってハラハラと泣いてしまいましたが、やがて涙を払って、

「斯様なお喋りはやめにいたしまして、いかがでございましょう、お邪魔にならなければ、拙い琵琶の一曲を奏でてお聞きに入れましょうか」

誰に話しているのだか、誰が聞いているのだか知らないが――また、これから誰に聞かせようというつもりか知らないが、弁信法師は、琵琶をかかえて縁に立ち出でました。

そこで調子を合わせにかかると、葉鶏頭の多い庭先から若い娘が、息せききって駆け込んで来て、

「弁信さん、大変が出来ました」

「エ、お雪さん、大変とは何でございます」

弁信は琵琶の調子を合わせていた手をとどめると、娘は、

「先生はおいでですか……あの、姉が殺されましたそうで」

「エ?」

弁信が琵琶を手放してしまうと、娘は、

「たった今、人が来て、このことを知らせてくれましたから、先生に……」

娘は、倒れるように縁側へつかまって、面色も変り、唇がわなないて見えます。

「ああ、それ故にこそ私は、さいぜんからなんとなく胸騒ぎが致したのでございます、さあ、落着いて委細のことを先生に話して上げて下さいまし」

「御免下さいまし」