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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁
それ以来、世間へこの面を曝すことが業腹で、思いきって旧領地の縁をたどり、ここへ引込んでしまったのだから、今の謹慎も実は、その面部の大傷がさせた業と言うべきものです。それと、もう一つは、財政がもはや全く枯渇して、化物屋敷の類焼以来は、江戸三界では融通が利かなくなったということで、それがおのずからこの男を謹慎にし、多少、謹慎の味がわかってみると、遅蒔きながら、生涯を蒔き直そうかという気にもなってみ、寺僧に就いて、多少、禅学の要旨を味わってみたり、茶や、生花の手ずさみを試みてみたり、閑居しても、必ずしも不善を為さぬような習慣になっているのです。
しかし、これとても、本心から左様に発心して精進しているわけではなく、事情しからしめた故にそうなったので、この事情が除かるるならば――たとえば面の傷が癒着するとか、財政の融通が利いて来るとかいうことになれば、また逆転しないという限りはないが、今のところではその憂いはなく、それで、附近の旧知行所の人々は質朴で、殿様扱いに尊敬するものだから、満足はしていないながらも、無聊に堪えられないということはなく、どうかすると斯様な生活ぶりに、自然の興味をさえ見出すこともあるのです。