輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁

青空文庫

「あのな、お前、用が済んだら門番のところまで頼まれてくれ。お吉が病気になったそうだが、加減はどうか、悪くなければ、お吉にちょっと来てくれるようにいってくれ」

「畏まりました」

小坊主はおびえながら、承知して行ってしまいます。

しかし、暫く待ってもお吉はやって参りません。主膳はその時焦れてもみましたが、またかわいそうだとも思いました。しかしまた、来なければ来ないように言いわけがありそうなものを、小坊主はその返事をすら齎さない。忘れたのか、ズルけたのか。

その時分、庭で、けたたましい人の声。

「え、油坂で転んだ? それは誰だエ。気をつけなくちゃいけねえ。エ、誰が転んだのだエ?」

「又六さんが転んだんですよ」

「エ、又六がかい。何たらそそっかしいことだ、慣れているくせに」

噪ぎ立てた問題は、単に、又六が油坂で転んだというだけのこと。

主膳は、そこでまたカッとしました。油坂は転んではならないところ。そこは、やはり大中寺七不思議の一つ。

本堂から学寮への通路に当る油坂。昔は、そこを廊下で通っていた。いつの頃か、学寮に篤学な雛僧があって、好学の念やみ難く、夜な夜な同僚のねしずまるを待って、ひそかに本尊の油を盗んで来て、それをわが机の上に点して書を学んだ。