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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁

青空文庫

の百蔵をひとかたならず嫉かせたものです。

ところが、今はこの通俗な予想も、まるっきり違って、お角が訪ねて行く足どりもおちついたもので、足を踏み入れたところは通人の通う柳橋ではなく、諸国のお客様の定宿の多い馬喰町の通りであります。

そこで、一二といわれる大城屋良助の前へ来ると、お角は丁寧に宿の者に申し入れました、

「有野村のお大尽様に、両国橋から参りましたとお伝え下さいまし」

「はい、畏まりました」

ほどなく、お角は男衆の手から包みを取って、案内につれて通る。男衆は店頭に腰をかけて待っている。

お角の通された一間、そこには丸頭巾をかぶったお金持らしい老人が一人、眼鏡をかけてしきりに本を読んでいる。そこへお角が通されて、

「お大尽様、お邪魔に上りました」

「おお、お角どの、まあずっとこれへお入りなさい」

といって老人は本を伏せ、眼鏡を外して、座をすすめると、お角はしおらしく、

「御免下さいまし」

座へ通って再び老人に頭を下げ、

「おかげさまで、すっかり当ってしまいました。これで、わたしの胸も、すっかり透いてしまいました。就きましては早速、心ばかりのお初穂を差上げまするつもりで……」