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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁
と言ってプンプン怒ってみたけれども、別にあとを追っかけろとも言いませんでした。ともかくも相談の通りに道庵屋敷を落ちのびた二人の者は、真夜中の江戸の市中をくぐり抜け、弁信は例の琵琶を頭高に負いなし、茂太郎は盲者の手引をして行く者のように見えましたから、さのみ怪しむものもありません。
上高井戸あたりで夜が明けました。それから甲州街道の宿々を、弁信法師は平家をうたって門附をして歩きます。
茂太郎はその手引のつもりで先に立っていたが、弁信の語る平家なるものが、なにぶん俚耳に入らないで困ります。
祇王祇女を淋しく歌っても、那須の与市を調子高く語り出しても、いっこう家並の興を惹きません。道行く旅人の足をとどめることもできません。
ある時は、祭文語りのために散々に食われて、ほうほうの体で逃げました。
「弁信さん、お前の平家は、根っから受けないねえ」
府中の六所明神に近い大きな欅並木の下で、一休みした時に、さすがの茂太郎も、弁信法師の平家物語なるものに、そぞろ哀れを催してしまいました。
ところが、弁信法師はそれほどにはしょげておりません。
「ねえ、茂ちゃん、平家というものは、本来流して歩くように出来ていないのだからね。