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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁

青空文庫

それでもお雪は、ふるえつくように戸へ手をかけて、

「先生、ほんとに御無事でしたか、お怪我はなさいませんでしたか」

いきなり戸をあけようとするから、久助が心配して、

「まあ、お待ちなさい」

主と、駕籠屋、馬方は、油断なく万一に備える心持で、まだ得物を手放さないでいると、

「大丈夫ですよ、それほど用心しなくとも。たしかに先生の声ですもの」

といって、お雪が戸をガラリとあけましたが、あけて後、失神したもののように驚いて、後ろへさがりました。

「まあ……あなたは」

そこに、たしかに竜之助が立っているには立っていましたけれど、その人は血をあびて、手には白刃を提げて立っています。

無事で帰ったというよりは、殺された魂魄が煙の如く立ち迷うて、ここへ流れついたと見るのが至当かも知れない。

十五

一方いのじヶ原を再び後へ戻ったところ、峠の上の立場、五条源治の茶屋は、この時、上を下への大騒ぎであります。

それはほかでもない、ここへ、さいぜん出立した四人が舞戻って来たからです。しかもそのうちの二人の者が、血に染みた二人の者をかつぎ込んで来たからであります。

丸山勇仙は高部弥三次を肩にかけ、仏頂寺弥助は三谷一馬を引背負って、この茶屋へかけ込みました。