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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁

青空文庫

それじゃそのままにしておいて下さい、あとから汲んで来て入れますから」

「おいらが汲んで来てやろう」

といって米友は、胸一ぱいに抱えた草花を桶の中へさし込みながら、傍の手桶を横目でながめました。

その手桶を提げると、米友は以前入って来たところから、身軽に外へ飛び出してしまいました。動物園へ動物を寄附する時には食糧附の義務があるように、米友は草花を持って来た好意に添うるに、水汲みの労力を以てすることを、さのみ苦には致しません。これはお安いことです。

米友はこうして水を汲みに出かけました。そのあとで、駒井甚三郎は、

「婆さん、奉書があれば結構、なければ西の内でも、それもなければ半紙でもよろしい、紙を一枚下さい」

「何になさるんでございますか」

「え、志納金をお寺へ納めて行きたいと思う」

「左様でございますか」

婆さんは、立って、奉書の紙のいったん使用して皺をのばしておいたのを持って出て、

「これでよろしうございますか」

「それで結構」

駒井甚三郎は一方の脇の床几に腰をかけて、花立を置いた前の机の上でなにがしかの金を包み終り、

「婆さん、筆をお貸し」

「はいはい」

老婆は、蒔絵のある硯箱の蓋をとって、水をさし、駒井の前へ置くと、駒井は墨をすりながら、