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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁

青空文庫

駒井甚三郎は、それがためにかなりおおくの費用をお松の手に渡して行きました。お松は、それを辞退しましたけれども、辞退すべき性質のものでないと諭されて、いさぎよく預かっておきました。

乳母を一人雇うて、念入りにそだてて、朝夕その子をだきかかえて楽しみにしていましたけれど、不安というのは、この屋敷で、どうもおだやかでない人たちの出入りがはげしく、自然、その筋でもめざされているし、いつきりこみがあるかわからない、というものもあるし、早晩、焼討ちになるだろう、と沙汰をするものもあるくらいですから、お松はそれが気にかかってなりません。御老女様はしっかりしておいでなさるし、集まるほどの人も血気の人には相違ないが、そう悪いことをする人たちではありませんから、危ないことはなかろうと思うけれど、万一、このお子さんに怪我があっては、という心配が絶えたことはないのです。

そこで或る日、お松は自分の部屋で赤ん坊を抱き、

「登様、あなたは田舎へいらっしゃいますか、田舎はおいやですか」

と話しかけました。

話しかけたって返事のできるわけはありませんが、つい口に出て、

「おいやでなければ、田舎へお連れ申しましょうか。