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たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
線上閱讀海野 十三《太平洋魔城(たいへいようまじょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 頁
その鎖のはしは、床下に、しっかりと埋っている。まるで重罪人あつかいだ。
「おい、できたか。どうもこの悪臭には、降参だな」
「もう大丈夫です。絶対に逃げられません」
「そうか。では、その方は、それでよしと、あとは飯をくわせてやれ。酒もすこしばかりつけてやれ。だがこの悪臭の中で、食えるかな」
衛兵長が、そういいながら出ていこうとするので、五人の部下はおどろいて、
「衛兵長。どこへいくのですか」
「うん、おれはちょっと、司令官のところへ報告をしてくる。お前たちは、いいつけたとおり見はっているんだ」
衛兵たちは、たがいに顔を見合わせてあきれた。が、衛兵長の靴音がきこえなくなると、彼等もみんな外に出た。
「ここならまだ、ましだ。この中にいちゃ、目まいがしそうだ」
「じゃおれは食物をとってくるからな」
「いや、それはおれがいこう」
「待て、おれもいく」
衛兵たちは、先をあらそって、廊下をかけだして行った。あとには、気のよい衛兵が、たったひとりで、廊下ではり番をしている。
太刀川時夫は、悪臭をじっとがまんしながら、ゆがんだベッドに腰を下した。祖国日本の一大事を、どうして知らせたものかと、おもいなやんでいるのだ。