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たいようけいとうのめつぼう

太陽系統の滅亡

木村 小舟

線上閱讀木村 小舟《太陽系統の滅亡(たいようけいとうのめつぼう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,244 字 · 15 頁

青空文庫

するとさらにこれに代って立ち現れたる一人は、大声疾呼「驚くなかれ諸君よ」の冒頭を以て、まず聴衆の鼓膜を破ったのである、彼は狂せんとする人々を押し静めて、さて説いて曰く、

「諸君! 君らは何の故を以て、物々しく悲観し給うか、僕は寧ろ諸君の迂を笑いたいと思う、かくいわば君達は例に依って僕を攻撃なさるかと存ずるが、僕はまた僕だけに自信がある、君達も疾くに御承知であろう、かのアルキメヂスという男は、槓杆を以て地球を動かすと断言したではないか、しかもそれは遠い昔しの事だ、昔しの人でさえ地球を動かすといったのに、今文明の恵みの光に浴する僕らが力を以てするからには、ただに地球を動かすに止らず、進んでこれを太陽系統以外に運搬することは、さのみ困難ではなかろうと考える」

聴衆はこの言を冷笑裡に葬った、否彼らは、悲憤して叫んだのである。

「馬鹿野郎、吾らはそんな世迷言にかす耳を有たぬぞ、こうなった上は一寸の光陰も軽んずべからずだ、愚図愚図すれば撲ち殺されるぞ、生命が惜しくば早く下れ下れ!」

彼らは全く狂気の沙汰である。されどこれを物ともせず、大勇猛心を起して彼はいった。