輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ぶにんりしょうき

夫人利生記

泉 鏡花

線上閱讀泉 鏡花《夫人利生記(ぶにんりしょうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,693 字 · 26 頁

青空文庫

その石臼に縋って、嫁菜の咲いたも可哀である。

ああ、桶の箍に尾花が乱るる。この麗かさにも秋の寂しさ……

樹島は歌も句も思わずに、畑の土を、外套の背にずり辷って、半ば寝つつも、金剛神の草鞋に乗った心持に恍惚した。

ふと鳥影が……影が翳した。そこに、つい目の前に、しなやかな婦が立った。何、……紡績らしい絣の一枚着に、めりんす友染と、繻子の幅狭な帯をお太鼓に、上から紐でしめて、褪せた桃色の襷掛け……などと言うより、腕露呈に、肱を一杯に張って、片脇に盥を抱えた……と言う方が早い。洗濯をしに来たのである。道端の細流で洗濯をするのに、なよやかなどと言う姿はない。――ないのだが、見ただけでなよやかで、盥に力を入れた手が、霞を溶いたように見えた。白やかな膚を徹して、骨まで美しいのであろう。しかも、素足に冷めし草履を穿いていた。近づくのに、音のしなかったのも頷かれる。

婦は、水ぎわに立停まると、洗濯盥――盥には道草に手打ったらしい、嫁菜が一束挿してあった――それを石の上へこごみ腰におろすと、すっと柳に立直った。日あたりを除けて来て、且つ汗ばんだらしい、姉さん被りの手拭を取って、額よりは頸脚を軽く拭いた。