輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《奇談クラブ〔戦後版〕(きだんクラブ〔せんごばん〕)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,235 字 · 22 頁
四
五人の聴き手は今更茶化すわけにもいかず、神妙に、そして少し冷笑気味に聴いて居ります。
「でも私は一つだけ良いことをしたと思っていることがあります。それは或る朝三銭の納豆代に、たった二銭しか無かったために、――その頃の私はそれほど貧乏だったのです。――財布から机の抽斗まで捜し抜いた揚句あげく、守り袋の中に、亡くなった母親が形見のつもりでいるようにと言ってくれた、二分金のあることを思い出し、それを一銭銅貨の代りに、娘の納豆籠に入れてやったことがあります。二分金を売れば、当町でも母子一ヶ月の生活費位にはなった筈ですから、それがせめても貧乏な文学青年の、十三歳の納豆売に寄せた、ささやかな好意でした、――いや調子に乗って、飛んだことを申上げて、赤面に堪えません」
詩人江守銀二は、そう言って漸く席に着いたのです。
四
続いて起ったのは、実業家の林敬五郎でした。四十前後の鋼鉄で鋳上げたような精悍な感じのする男で、無の唇を拭きながら、張り切った調子で始めます。
「私は食物に対しては栄養本位に考える方で、栄養があればすなわち美味と感じて、少しの不都合も矛盾も感じない人間であります。