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おんなのがっこう
女の学校
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《女の学校(おんなのがっこう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 2,812 字 · 6 頁
などを、自分なりの理解で熱中してよみ、長い昼休みの時間、そういう本をもって、本校と云われた古い赤煉瓦の建物の、閉ったきり永年開けられることのない大きい扉の外の石段にかけて読むとき、何にたとえん、と云う満足であった。すこし引込んだ庭かげになっているそういう石段は、夏でもひいやりとして、足もとには羊歯などが茂っていた。遠くには大勢の人気のある、しかもそこだけには廃園の趣があって優美な詩趣に溢れていた。わたしは自分の隅としてそこを愛し、謂わばその隅で生長したのであった。
日本女子大学の英文科予科に一学期ほどいたことがある。ここの学校でも心に刻まれているのは、構内の雑木林である。網野菊、丹野禎子という友達たちと、そこで喋った雑木林が忘られない。学校そのもの、女学生そのものについて、いい感じはなかった。成瀬氏の伝統で、「天才」だの「才能」だの美辞は横溢しているくせに、級の幹事が、ここで女教師代用で、髪形のことや何かこせこせした型をおしつけた。その頃の目白は、大学という名ばかりで、学生らしい健全な集団性もなく、さりとて大学らしい個性尊重もされていなかった。
学生というはっきりした資格でもなくて、その寄宿舎に暮したりしたニューヨークのコロンビア大学も構内の芝生が美しかった。