輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

じょるい

女類

太宰 治

線上閱讀太宰 治《女類(じょるい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,869 字 · 16 頁

青空文庫

じっさい、自惚れが無ければ、恋愛も何も成立できやしませんが、僕はそれから毎晩のようにトヨ公に通い、また、昼にはおかみと一緒に銀座を歩いたり、そうして、ただもう自惚れを増すばかりで、はたから見たら、あさましい馬か狼がよだれを流して荒れ狂ってるみたいな、にがにがしい限りのものだったのでしょう。とうとう僕は、或る夜、トヨ公で酔っぱらい作家の笠井健一郎氏に面罵せられました。

笠井氏は、僕の郷里の先輩で、僕の死んだ兄とは大学で同級生だったらしく、その関係もあり、笠井氏と僕とは、単に作家と編輯者の附合い以上に親しくしていて、僕の雑誌でも笠井氏の原稿をもらうのは、もっぱら僕の係りで、また笠井氏も、僕の原稿依頼なら、割に機嫌よく聞いてくれたものでした。

その笠井氏が、まったく思いがけなく、新橋のおでん屋のトヨ公にはいって来たので、ぎょっとしました。笠井氏はお宅が新宿ちかくでしたので、その方面で毎晩のように飲み歩き、新橋のほうにまで出て来る事はめったに無かったのです。その夜は何かの会の帰りらしく、和服に袴をはいていました。かなりもう酔っているようで、ふらふら僕の傍にやって来て腰をおろし、