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ようかいがくこうぎ
妖怪学講義
井上 円了
線上閱讀井上 円了《妖怪学講義(ようかいがくこうぎ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 17,679 字 · 35 頁
しかれども、もし学者にして妖怪全くなしといわば、これ学者の妄見なり。例えば愚民の妖怪ありとするは、あたかも船に乗りて自ら動くを知らず、対岸のはしるを認めて真に動くと信ずるがごとし。ゆえに、学者は大いにその愚を笑う。しかして学者の妖怪なしとするは、あたかも地球に住息して太陽の上下するを見、これ地球の動くにあらずして太陽の動くなりと信ずるがごとし。もし赫々たる哲眼を開ききたりてこれを徹照しきたらば、またその愚を笑わざるを得ず。なんとなれば、学者の妖怪にあらずとするもの、また一種の妖怪なればなり。仰いで天文を望めば、日月星辰、秩然として羅列するもの、一つとして妖怪ならざるはなし。俯して地理を察するに、山川草木、鬱然として森立するもの、またことごとく妖怪なり。風の蕭々として葉上に吟ずるも、水の混々として石間に走るも、人の相遇って喜び、相離れて悲しむも、怪中の怪、妖中の妖ならざるなし。それ、一杯の水は一滴の露より成り、一滴の露は数個の分子より成り、分子は小分子より成り、小分子は微分子より成り、微分子はすなわち化学的元素なり。もし、そのいわゆる元素はなにより成るを問わば、けだし、だれもこれに答うるものなかるべし。