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ようかいがく

妖怪学

井上 円了

線上閱讀井上 円了《妖怪学(ようかいがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 59,416 字 · 117 頁

青空文庫

囈語は口部の神経だけ醒覚したるなり。あるいは手足の運動神経のみ醒覚して、耳、目、鼻、口等の神経なお睡眠せることあり。眠中の歩行、これなり。今、二、三の例を挙ぐれば、夜中不時に起きて家を一周し、また廐に至りて馬に乗り、また屋上にのぼりて仕事をなしながら自らこれを知らず。また、かつて人あり。夜中、一友来訪す。急に起きて応接し、談話の末議論激烈にわたり、ともに決闘を約し自らピストルを放ち、その砲声に驚きて醒覚せりという。その他、目に見えたれども、その人を呼ぶことあたわず、また、身体をめぐらすことあたわず、耳にて聴きたれども、これに答うることあたわざる等は、みな甲部は醒覚したれども、乙部はいまだ睡眠せるによるなり。もし全体醒覚せば、夢行にもあらず、夢想にもあらず、通常の思想なり、通常の運動なり。

以上は、夢の起こる原因なれども、夢の中には空間の大小、時間の長短を知ることあたわず。重ねたる足の落ちたるは、わずかに寸秒の間なり。しかれども、夢中には橋を渡りて落つるなど、すこぶる長時の考えをなす。その他、いにしえを今とし、今をいにしえとし、わずか一夜のうちに数十年の経歴をなすことあり。