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ふじんとぶんがく
婦人と文学
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《婦人と文学(ふじんとぶんがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 180,792 字 · 351 頁
野枝が「男子本然の要求と長い歴史による」もので娼妓は存在するだけの理由をもっていると云ったに対して、山川(青山)菊栄は、社会問題としての廃娼運動の必要を力説したものであった。「男子の先天性というよりは不自然な社会制度」から生れているものとして、山川菊栄は、統計をあげ、社会科学の問題としての立場を明かにしつつ傍ら社会問題に対する野枝の気分まかせの投げやり、根気弱さを批判した。
伊藤野枝は次第にそれへの部分的な共鳴と反撥、弁明交々の感想を発表したのであったが、両者は完全な一致を互の間に見出さず、野枝が大杉栄の新著『社会的個人主義』についての好意ある紹介をしていることは、単に意味ふかい偶然であったとだけ云うべきであろうか。
欧州大戦三年目の日本では、吉野作造がデモクラシーを唱え一般に強い反響をよびおこしていたが、『新社会』による堺、高畠、山川均等と『近代思想』によるアナーキスト大杉栄との間に、思想的対立の兆したのは既にその前年のことであった。
『青鞜』が遂に発刊不能になったことは、同時に伊藤野枝と辻潤との生活破綻を語り、野枝は子供をつれて家を出た。大杉栄をめぐって堀保子、神近市子、伊藤野枝の苦しい渦巻が生じた。