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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
線上閱讀泉 鏡花《婦系図(おんなけいず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 172,760 字 · 343 頁
あれを(内の人)だなんと云うと、御両親をはじめ、貴娘の名誉に関わるでしょうが、ああ、」
と口を開いてニヤリとする。
お妙はツンとして横を向いた、眦に優い怒が籠ったのである。
閑耕は、その背けた顔を覗込むようにして、胸を曲げ、膝を叩きながら、鼻の尖に、へへん、と笑って、
「あんな者と、貴娘交際するなんて、芸者を細君にしていると云うじゃありませんか。汚わしい。怪しからん不行跡です。実に学者の体面を汚すものです。そういう者の許へ貴娘出入りをしてはなりません。知らない事はないのでしょう。」
妙子は何にも言わなかったが、はじめて眩しそうに瞬きした。
小使が来て、低頭して命を聞くと、教頭は頤で教えて、
「何を、茶をくれい。」
「へい。」
「そこを閉めて行け、寄宿生が覗くようだ。」
四十八
扉が閉ると、教頭身構を崩して、仰向けに笑い懸けて、
「まあ、お掛なさい、そこへ。貴娘のためにならんから、云うのだよ。」
わざわざ立って突着けた、椅子の縁は、袂に触れて、その片袖を動かしたけれども、お妙は規則正しいお答礼をしただけで、元の横向きに立っている。
「早瀬の事はまだまだ、それどころじゃないですが、」