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ねたみのはなし

嫉みの話

折口 信夫

線上閱讀折口 信夫《嫉みの話(ねたみのはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,960 字 · 10 頁

青空文庫

Aの流れは共同してBにあたる。嫉妬の形が違うわけである。そう言うても安んじないが、そういう様式を守っているので、同族の中から出たもので争うのは、原始的な感情から解放されるか、あるいは新しいものに触れたのが遅いかで、その点、世間の普通の感情がこうだからとは決められぬ。

宮廷のことをうわさするのは、おそれ多いが、本当の美しい心でせねばならぬ。宮廷には大きい二つの流れが、妻妾にある。私は、これを火と水とにたとえている。火の系統から出るお方と、水の系統から出るお方とがあって、火の系統は皇族の流れ、水の系統は民間からのお方である。どういう皇族が出るかはわからぬ。宮廷の系図ははっきりしすぎていて整理がつかぬが、水の側は整理がつきやすい。ともかく、はっきり見えるのはこの二つである。宮廷自身から出る火のほうばかりが強いわけでもない。交替に出ているわけでもない。

ところが、水の系統のお方は、どうしても、火の系統のお方に対しては階級が低いのであろう。だから、水の系統のお方が第一位に出られるときには、いろいろと議論が起こった。水の系統の光明皇后が出られたときは、聖武天皇が宣命の中で、わけを説いておられる。