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うちゅうのまいご
宇宙の迷子
海野 十三
線上閱讀海野 十三《宇宙の迷子(うちゅうのまいご)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 14,497 字 · 29 頁
ま夜中の景色だよ、これは……」
「おい、しっかりしてくれ、ポコ君、いつまでねぼけているんだよ」
「ねぼけているって、このぼくがかい。ぼくがどうしてねぼけるもんか。千ちゃんこそねぼけているぞ。ぼくはねぼけてなぞいないから、たとえば、この高度計でもさ、はっきり読めるんだ。……おやおやおや」
ポコちゃんは目をこすったり高度計のガラスぶたをなでたり。
「へえ、ほんとうかなあ、高度二万五千メートルだって……。すると成層圏のまん中あたりの高度だ……。そのあたりなら、大気がうすくて、水蒸気もないし、ごみもないから、太陽の光線が乱反射しない。それで昼間でも成層圏の中は暗い。ことに高度二万三千メートル以上となれば空は黒灰色にみえるのである……と、“宇宙地理学”の教科書に書いてあったが、ははん、なるほどだ……」
ねぼけていたとはいえ、もう夜中だ、などとばかなことをいったものだ。千ちゃんはそれに気がついたかなあ――と、ポコちゃんは、タヌキのやぶにらみという、みょうな目つきをして、となりの席の千ちゃんの方をうかがった。すると千ちゃんはまっすぐ顔をポコちゃんの方へ向けてにやにや笑っていた。