輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

あんごしたん

安吾史譚

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《安吾史譚(あんごしたん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,351 字 · 23 頁

青空文庫

しかも百坪ほどの空壕までそッくり原型のままに実に、よく耕やされた畑である。

その日は初夏の太陽がまぶしい光をジャガ芋と麦の畑にふりそそいでいた。私は空壕の下に小ヂンマリとよく耕やされた畑を見ているうちに笑いがこみあげてきた。太陽と土とだけで生活している魂の笑いが、私にものりうつったようだった。

「実に平凡な、妙に宿命的なジャガ芋畑だ」

私が見た原城の跡はそのようなものであった。したがって、私がそこで見た天草四郎も、農民の平凡な魂が神の生れ代りと信仰した少年で、そのような少年に具わるものは何だろうか、と考えた。

四郎は非常に美しい特別の装束を身につけていたそうだ。四郎が楼上で碁をうっていたとき、城外から矢がとんできて袖を射ぬいた。天人(四郎をそうよんでいたように書いてる本もある)にも矢が当るというので、籠城の農民たちに甚しく精神的な動揺が起ったという。それが落城のキザシで、急速に戦意が衰えたと云われてもいる。

そのへんまでは史実にちかいものであるらしいが、そのとき射ぬかれた四郎の袖は桜の花か何かの燃えるようにあでやかな模様のものであったというようなのは講釈本の説である。