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かていりょうりのはなし
家庭料理の話
北大路 魯山人
線上閱讀北大路 魯山人《家庭料理の話(かていりょうりのはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 2,169 字 · 5 頁
世間の人は、自分の身近にある有価値な、美味いものを利用することに無頓着のようだ。
出盛りのさんまより場違いのたいをご馳走と思い込む、卑しい陋習から抜けきらないところに原因があるようだ。
「腐ってもたい」などという言葉は、うかうか聞いていると、諺としてはちょっと面白いが、料理の方では大変な邪魔となって害がある。
また、料理人のつくったものなら、なんでも結構なお料理だなぞと、軽卒に考えるのも大変な考えなしであることを、私は特に言い添えておきたい。
なんとなれば、料理人は食道楽家ではない。みながみな有名人でもない。好き好んでやっているのでもない。味覚の天才というのも職人にはないようだ。私は多数の料理職人を注意して見て来たが、なんでもない人が多い。だから、料理道という「道」とのかかわりはない。すべて出鱈目だ。思いつきがあっても、低調で話にならない。正しい責任を持たない。鋭い五官などは働いていない。
第一、料理道楽、食道楽に金を使って知ったという経験を持たない。従って、床柱を背に大尽振った食道楽がない。美食に非ずんば口にしないというような見識を備えていない。