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ずいひつ よせばやし
寄席囃子 正岡容寄席随筆集
正岡 容
線上閱讀正岡 容《寄席囃子 正岡容寄席随筆集(ずいひつ よせばやし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 112,259 字 · 222 頁
そこで今度は権太楼浪曲を唸ったら、老妓またこれをおよそ達者に弾きまくる。
少なからずテレて彼、その老妓の正体を洗ってみたら、いずくんぞ知らんや、浪曲界の奇才と謳われた先代浪華軒〆友の未亡人で、かつて女義太夫のベテラン。
それじゃあ、浪曲も義太夫も巧いのが当たり前、権太楼先生ギャフンとまいった。
〆友未亡人、小でっぷりした赤ら顔の人だったが、終戦後も健在だろうか。
あの頃より国電の土手沿いまで大塚花街は発展したと聞くけれど、かの未亡人を思うにつけ坊野寿山子が川柳の巧さよ。
義太夫の芸者のような太りかた
ついでに今少しく寿山子の花柳吟をあげようか。アプレゲールの花街風俗詩が、手に取るように書けている。
天井がない待合で二百円
上海のやうな値段で芸者買
どの花街も哀れやいつ建つ草の波
行く前に三百円は小料理屋
見番の骨ばかり出来あかざ草
下肥の匂ひこれが東京柳橋
おごりなら泊るあしたは外食券
入口は喫茶、小待合は奥
三味線は郊外できくものになり
帰りがコワイと三人で向島
水神は目ざせど電車でさとごころ
米の値にふれて遊びの枕許
氷屋の配達に似た客二人
カストリが青大将のような匂いでハバを利かせ(残念ながら私も飲んだが)、停電が続き、は境い期にお米でビクビクしていた昭和二十一、二年の花街があまりにも如実ではないか。