輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

どんぐり

寺田寅彦随筆集 第一巻

寺田 寅彦

線上閱讀寺田 寅彦《寺田寅彦随筆集 第一巻(どんぐり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 203,161 字 · 412 頁

青空文庫

参詣者はその背中に突き出た瘤のようなものの上で椰子の殻を割って、その白い粉を額へ塗るのだそうな。どういう意味でそうするのか聞いてもよくわからなかった。まっ黒な鉄の鳥の背中は油を浴びたように光っていた。壇に向かった回廊の二階に大きな張りぬきの異形な人形があって、土人の子供がそれをかぶって踊って見せた。堂のすみにしゃがんでいる年とった土人に、「ここに祭ってあるゴッドの名はなんというか」と聞いたら上目に自分の顔をにらむようにしてただ一言「スプロマニーン」と答えた――ようであった。しかしこれは自分の問いに答えたのか、別の事を言ったのだかよくわからなかった。ただこの尻上がりに発音した奇妙な言葉が強く耳の底に刻みつけられた。こんな些細な事でも自分の異国的情調を高めるに充分であった。

立派なシナ商人の邸宅が土人の茅屋と対照して何事かを思わせる。

椰子の林に野羊が遊んでいる所もあった。笹の垣根が至るところにあって故国を思わせる。道路はシンガポールの紅殻色と違ってまっ白な花崗砂である。

植物園には柏のような大木があったり、いったいにどこやら日本の大庭園に似ていた。