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からすうりのはなとが
寺田寅彦随筆集 第三巻
寺田 寅彦
線上閱讀寺田 寅彦《寺田寅彦随筆集 第三巻(からすうりのはなとが)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,804 字 · 425 頁
ただ近来少数ではあるがまじめで立派な連句に関する研究的の著書が現われるのは暗夜に一抹の曙光を見るような気がして喜ばしい。しかし結局連句は音楽である。音楽は演奏され聞かれるべきものである。連句の音楽はもう少し広く日本人の間に演奏され享楽されてしかるべきである。
「連句と音楽」という題目のもとに考えらるべき事はまだたくさんにあるが、それらについてはさらに項を改めて詳しく述べてみたいと思う。上述の未熟な所説についてはさらに考え直さなければならない不備の点も多いことと思われるので、それらの点については読者の示教を仰ぎたいと思うのである。
(昭和六年四―五月、渋柿)
三 連句と合奏
連句の文学的作品としての著しい特異性の一つと見るべきことは、それが一つのまとまった全体を形成しておりながらその作者は必ずしも一人の人間でなくてむしろ一般には数人の一団より成る「集合人」であるということである。近ごろの言葉で言えば一種の共同制作によってできあがるものだということである。
漢詩でもたまには数人の合作になるものはあるようである。近ごろはひとつづきの小説を数人の作者が書き続けて行くのもあるようである。