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からすうりのはなとが
寺田寅彦随筆集 第三巻
寺田 寅彦
線上閱讀寺田 寅彦《寺田寅彦随筆集 第三巻(からすうりのはなとが)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,804 字 · 425 頁
ある。饒舌よりはむしろ沈黙によって現わされうるものを十七字の幻術によってきわめていきいきと表現しようというのが俳諧の使命である。ホーマーやダンテの多弁では到底描くことのできない真実を、つば元まできり込んで、西瓜を切るごとく、大木を倒すごとき意気込みをもって摘出し描写するのである。
この幻術の秘訣はどこにあるかと言えば、それは象徴の暗示によって読者の連想の活動を刺激するという修辞学的の方法によるほかはない。この方法が西欧で自覚的にもっぱら行なわれこれが本来の詩というものの本質であるとして高調されるに至ったのは比較的新しいことであり、そういう思想の余波として仏国などで俳諧が研究され模倣されるようになったようである。しかしこの方法の極度に発達したものがすでに芭蕉晩年の俳諧において見いださるるのである。
暗示の力は文句の長さに反比例する。俳句の詩形の短いのは当然のことである。
仏人メートル氏が俳句について述べていた中に「俳諧は読者を共同作者とする」という意味の言葉があったと思う。実際読者の中に句の提供する暗示に反応し共鳴すべきものがなかったら、俳句というものは成立しない。