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からすうりのはなとが
寺田寅彦随筆集 第三巻
寺田 寅彦
線上閱讀寺田 寅彦《寺田寅彦随筆集 第三巻(からすうりのはなとが)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,804 字 · 425 頁
「君、服を新調したから一つ見てくれ」と言われるようなこともあった。服装については自分は先生からは落第点をもらっていた。綿ネルの下着が袖口から二寸もはみ出しているのが、いつも先生から笑われる種であった。それから、自分が生来のわがまま者でたとえば引っ越しの時などでもちっとも手伝わなかったりするので、この点でもすっかり罰点をつけられていた。それからTは国のみやげに鰹節をたった一本持って来たと言って笑われたこともある。しかし子供のような心で門下に集まる若い者には、あらゆる弱点や罪過に対して常に慈父の寛容をもって臨まれた。そのかわり社交的技巧の底にかくれた敵意や打算に対してかなりに敏感であったことは先生の作品を見てもわかるのである。
「虞美人草」を書いていたころに、自分の研究をしている実験室を見せろと言われるので、一日学校へ案内して地下室の実験装置を見せて詳しい説明をした。そのころはちょうど弾丸の飛行している前後の気波をシュリーレン写真にとることをやっていた。「これを小説の中へ書くがいいか」と言われるので、それは少し困りますと言ったら、それなら何か他の実験の話をしろというので、偶然そのころ読んでいたニコルスという学者の「光圧の測定」