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からすうりのはなとが
寺田寅彦随筆集 第三巻
寺田 寅彦
線上閱讀寺田 寅彦《寺田寅彦随筆集 第三巻(からすうりのはなとが)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,804 字 · 425 頁
であった。あるいはむしろこういう「実験」をしてみようと思い立ったこと、それを実行した事であった。水が上ることが知られさえすればそれが何寸上ったかを計りたくなり、ポンプを引くのにひどく力がいればそれが何人力だか計りたくなり、そうしてそれを計る事ならばだれにでもできるのである。
ガリレー、ゲーリケ以後今日まで同様なことがずっと続いて跡を絶たない。ヴォルタの電盆や電堆、ガルバニの細君の発見と言われる蛙の実験いずれも質的なる画期的実験である。オェルステットが有名な実験をした時の彼自身の考えは質的にさえ勘違いしていた。ルムフォードの有名な実験は「水が沸きさえもした」事に要点があった。ロバート・マイヤーがフラスコの水を打ち振った後にジョリーの室へ駆け込んで "Es ischt so !" と叫んだのは水が「あたたまった」ためで、それが何度点何々上ったためではなかったのである。ロェンチェン線の発見が学界を驚かしたのはその波長が幾オングストロェームあったためではなく、そういうものが「在る」ということであった。ベクレル線も同様であった。シー・ティー・アール・ウィルソンの膨張箱の実験が画期的であったゆえんはまず何よりも粒子の実在を質的に実証した点であった。