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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
線上閱讀正岡 容《小説 圓朝(しょうせつ えんちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 163,270 字 · 325 頁
しかもつきあいのほうはもう一人前とみなされているから、祝儀不祝儀、何かにつけて後から後から出銭が多い。
三度に一度は前座に小遣いもやらなければならないし、仲間と飲みにも行かねばならない。楽屋へ這出しにくるやくざがあると、それにも某かの小遣いをとられた。しょせんが一軒チャチな寄席の掛持が増えた位では、毎月毎月足がでてしまった。いや全くその苦しいの何のって、愚痴はこぼしたくなる、不平は湧いてくる、しかも周囲は一人でもあいつしくじればいいと手ぐすね引いて待っている手合ばかりだから、口でばかりお上手をいっても、誰一人味方になってくれるものなんかない。従ってその時分あたら前途ある芸人で二つ目の苦労に耐えかねて江戸を売り、ついに生涯、旅烏で終ってしまうものが少なくなかった。
そうした二つ目としての生活条件だけでもいい加減苦しいところへ、いまの圓朝は阿母一人かかえて食べさせていかなければならなかった。旅へいったきりどうしてしまったろう父親の圓太郎は、いまだにたよりもよこさなければ、もちろん仕送りひとつしてくるでもなかった。圓朝の稼ぎだけではとても足りないので、母のおすみが他人様の縫針仕事をして僅かに暮らしを支えていた。