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しょうねんたんていちょう

少年探偵長

海野 十三

線上閱讀海野 十三《少年探偵長(しょうねんたんていちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 110,286 字 · 221 頁

青空文庫

もうこのへんでへたばって声をあげようと思ったこともたびたびであった。しかし自分が弱音をはいては、他の二人をがっかりさせると思い、歯をくいしばってがんばった。みんながそうしたものだから、山姫山の嶮もついに征服して、やがて地形は、わりあいにゆるやかな斜面となった。そして山姫山の頂上にある、測地用の三角点のやぐらが、夕陽を背負って、にょっきりと立っているのが見えてきた。三人は、疲れを忘れて足を早めた。

山姫山の頂上に小屋があった。三角点のすぐわきのところである。これは陸地測量隊がかけていった小屋で、もちろん無人のときの方が多い。その空き小屋に三人ははいって、その夜はここで一泊することにした。

夕食の時刻がきているが、その用意はなかった。ただ戸倉老人は、チョコレートの残りと、それから三枚のするめを持っていた。それをかじって、飢えをしのいだ。

日が暮れだした。もうでてもよかろうと、三人は小屋の外にでて、下界をながめた。はるかに芝原水源地が、ひょうたん形をして湖面がにぶく光っている。明日の行程でたどりつく目的地の湖尻の小屋が、豆つぶほどに見える。

(ここまでくれば、もう大丈夫だ)