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しょうねんたんていちょう
少年探偵長
海野 十三
線上閱讀海野 十三《少年探偵長(しょうねんたんていちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 110,286 字 · 221 頁
深さは十四五メートルらしい。
「土の壁が上までやわらかいといいんだがなあ。そしてなにか土を掘るものがあるといいんだが。待てよ、ナイフを持っているからこれで掘ってやろう」
春木は、空井戸の土壁に、足場の穴を掘り、それを伝って上へあがることを思いついた。そこで、早速その仕事を始めた。
それは手間のかかる仕事であったが、少年は根気よく土の壁に足場を一段ずつ掘っていって、やがて穴のそとに出ることができた。
「やれ、ありがたい」春木は、そこで大きな溜息を一つして、あたりを見まわした。あたりはまっくらであった。そしてまっ暗闇の中から、滝の音だけがとうとうと鳴りひびき、いっそう気味のわるいものにしていた。
ただ晴夜のこととて、星だけが空にきらきらと明るくかがやいていた。しかし星あかりだけでは、道と道でないところの区別はつかなかった。彼は、山を下りることを朝まで断念するしかないと思った。むりをして下りれば、足をふみすべらして谷底へ落ちるおそれがある。
「しようがない。今夜、滝の音を聞きながら野宿だ」
春木は、草の上に尻餅をついた。決心がつけば、野宿もまたおもしろくないこともない。