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しょうねんたんていちょう

少年探偵長

海野 十三

線上閱讀海野 十三《少年探偵長(しょうねんたんていちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 110,286 字 · 221 頁

青空文庫

彼は、自分の顔へ、下の方から光があたっているように思ったのである。そのとおりだった。机博士が手にもっている携帯電灯の光の一部が、偶然か、それとも故意か、頭目の顔を蔽う三重の紗のきれの下からはいってきて、彼の顔を下から照しているのである。

(あッ)

「無礼者!」と頭目が叫ぶのと、机博士の手から携帯電灯が叩きおとされるのと、同時であった。

博士は、手をおさえて、うしろへ身をひいた。彼の手から血がぽたりと床に落ちた。

「やあ君の手だったか。それは気がつかなかった。がまんしてくれたまえ」

頭目が、すぐ遺憾の意をあらわしたので、一度に殺気立ったこの場の空気が、急にやわらいだ。

「おい戸倉。きさまが、しぶといから、こんな悶着が起る。早く隠し場所をいってしまえ。この黄金メダルの半分の方はどこに隠して持っている」

頭目は、どこかにしまっていた黄金メダルの半分を再び左の指でつまんで、戸倉の方へさしつけた。戸倉は、頭目をにらみつけたまま、口を一文字につぐんでいる。

「早くいうんだ。早くいえ」そのときだった。

とつぜん、この部屋のあかりが、一度に消え失せた。鼻をつままれても分らないほどの闇が、一同を包んだ。