輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しょうねんたんていちょう

少年探偵長

海野 十三

線上閱讀海野 十三《少年探偵長(しょうねんたんていちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 110,286 字 · 221 頁

青空文庫

そうだ。こうなれば服の下に着ているシャツと、それから手拭とを利用するほかない。春木少年は実行家だったから、そう決心するとまず老人を元のようにねかし、それから急いで服をぬぎすて、縞のシャツをぬぐと、それをベリベリと破って長いきれをこしらえ、端と端とつなぎあわせた。手拭もひきさいて、それにつないだ。

「これでよし。さあ出来た。おじさん、しっかりなさい。傷口に仮りの繃帯をしてあげますからね」

そういって春木は、再び老人を抱きおこして、上向きにした。

老人は口から、赤いものをはき出した。胸をやられているからなのだ。少年は、絶望の心をおさえ、老人をしきりにはげましながら、傷口をぐるぐる巻いてやった。

その間に、老人は苦しそうにあえぎながら、目をあけたり、しめたりしていたが、少年がしてくれた傷の手当がすんで、しずかに地面にねかされたとき、

「あ、ありがとう。か、神の御子よ……」

と、しわがれた聞きとれないほどの声で、春木少年に感謝した。そのとき老人ののどが、ごろごろと鳴って、口から赤い泡立ったものがだらだらと流れだした。

「ものをいっては、だめです。おじさんは、胸に傷をしているのですからね」