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おぜぬまのしき
尾瀬沼の四季
平野 長蔵
線上閱讀平野 長蔵《尾瀬沼の四季(おぜぬまのしき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 2,629 字 · 6 頁
その他の支線は徐々に開発すべく、先ず本幹となるべき林道の開拓に急進し、要所要所に無料宿所を設くべく、尾瀬原には現にこれが建設されありて学生らの便宜となれり。鬼怒沼間にも建設したき希望にて計画中である、尾瀬原と尾瀬沼間の道の修繕もなさなければならず、赤貧の山人苦心惨憺たるものがある。十四年には学生村の遊船は建造に着手すべし。水利権問題にては訴願中紛擾もあり、群馬県土木課の冷淡苛酷、殆ど拾年間も自力にて修繕しつつある情態にて容易の業ではない。しかもまた一方には圧迫を加えんとする愚俗もある。愛山者はともにこの自然の神苑を叮重に保存し、有意義の享楽場たらしめたい。自然は人工に成ったものでないから、これを破壊するのは、自然の殺人者とも称すべく、水利権を他へ移転せば多少の価は得らるるも、さすれば山人は自然の逆殺者となる也。
この意味を解せずして、彼是と目先の利に熱中し、山人に妨碍を与え、脅迫がましき言を弄する人もあれど、また大に厚意を寄せて援助せらる愛山者もあるに依り、心強く感じて赤裸にて微力を傾注するのである。明治廿一年より開発に着眼し、三拾六年の星霜を経過せり。