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さんがくじょうど
山岳浄土
中村 清太郎
線上閱讀中村 清太郎《山岳浄土(さんがくじょうど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,724 字 · 10 頁
しょせん文化にばかされてはいけない。気のどくなのはいま山に機縁をもとめるひとだとさえおもわれる。われわれはまだ幸いだ、おもいでのとびらをひらいて随時にその功徳にあずかれるから。ねがわくば山を山らしくまもることをこころがけたい、厳粛敬虔の念をもって山の万事に処してもらいたい、開発は必至である、いたずらに逆行をゆめみるのではない、ただ開発に第一義をわすれない慎みが肝要なのである。六歳の幼児を近県の山につれていった、登山電車があり、よいみちがあり幼児はよろこんだ、そしてきいた。
――山はどこにあるの?
――これが山じゃないか
このこたえは、しかしはなはだ力がなかった。
自然の純粋のすがたこそ尊い、自然の恩恵ここにきわまる。それを物質的にのみ解してはこまる、忘恩はもってのほかだ。このころの山民の眼のとがりようはどうだ。自然の恩恵はそもそも文字によって知らないのである、それには清純なる自然に参するを要する、文化進んでいよいよその須要を痛感する。大地はひとの母であり、その純乎たるすがたを山にみる。山をきよめよ、山にたしゅうをみちびくはよい、こころせざればかえって外見と逆に少数の霊能ある者のほか、その醍醐味にふれえないであろう。