輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

じゅんさじしょく

巡査辞職

夢野 久作

線上閱讀夢野 久作《巡査辞職(じゅんさじしょく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 31,907 字 · 63 頁

青空文庫

「マユミさんと一緒に寝とったんか」

一知は首筋まで真赤になった。井戸端で水を汲んでいるマユミの背後姿をチラリと見た。

「いいえ。彼女は毎晩、両親の吩付で直ぐ向うの中の間に寝る事になっておりますので……」

「ホントウか。大事な事を聞きよるのだ」

「ホントウで御座います。一緒に寝た事は……今までに……一度も……」

そう云う中に一知は興奮したらしく早口になりかけたが、忽ちサッと青くなって口籠った。云うのじゃなかった……といった風に唇をギュッと噛んで、忙しく眼瞬きをした。その顔を草川巡査は穴の明く程凝視したので、一知はイヨイヨ青くなって頸低れた。

「フウム。妙な事を云うのう……マッタクか……それは……」

一知は怨めしそうな、悲痛な顔を上げて草川巡査の顔を見たが、その瞳には一パイに涙が溜っていた。

「ハイ……しかし……それは……今度の事と……何の関係も無い事です」

「うむうむ。そうかそうか。それでラジオの音に紛れてマユミさんと一緒に寝よったんか。ハハハ」

一知は頸低れたまま涙をポトポトと土間へ落した。微かにうなずいた。

「アハハハ。イヤ。そんな事はドウでも良え。お前達が寝よる位置がわかれば良えのじゃが……ところで、それにしても怪訝しいのう。