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こうげいのみち

工芸の道

柳 宗悦

線上閱讀柳 宗悦《工芸の道(こうげいのみち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 166,103 字 · 336 頁

青空文庫

すべての誤謬と偏見とはこれらのものの峻別から起る。もし単に物への用なら何の美が必要であろう。工藝から色彩も模様も即刻に消え去るであろう。一つの作物を唯物的に見るなら、それはいち早く醜と結ばれるであろう。これに反しもし心のために作るなら、何の「用」を必要としようや。単に美を示そうとするだけなら、用途の道を選ぶ愚かな者があろうか。別に絵画や彫刻の道があるではないか。工藝は物心への用に活きる。心なき物、物なき心というが如きは抽象的概念に過ぎない。心に逆らって、器に滑かな働きはない。醜いものは使いにくいではないか。またこれに対し純に心のための器と云うが如きものがあろうか。美しいものは、用いたいではないか。用いたくない美しさ、かかる美を正しい美と呼ぶことはできぬ。美を欠く器は、完き用器ではなく、用を欠く器は全き美器ではない。

あの土に鋤を入れる時、口に謡が伴うように、用いる器には美が伴う。用は美を産み、美はさらに用を助ける。用とは不二なる物心への用である。この用に即する時、工藝があるのである。用に遠い時、美からもまた離れてくる。「置物」がなぜ概して醜くなるか。