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つねにしぜんはかたる

常に自然は語る

小川 未明

線上閱讀小川 未明《常に自然は語る(つねにしぜんはかたる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 1,901 字 · 4 頁

青空文庫

彼等が、これを口ずさむ時は、生活の肯定であった。支配者に対する反抗であった。しかも、また、自らの作業を捗らせるための快い調でもあった。故に、喜びがあり、悲しみがあり、慰めがある。そして、狭小、野卑の悪感を催さない。なぜならば、これ、一人の感情ではなかったゝめだ。郷人の意志であり、情熱であった。これを、土と人とが産んだものと見るのが本当であろう。

民謡を都会の舞台に乗せたり、また、職業的詩人をして、一夜造りに、これに類するものを作らせようとする者程、詩を解しないものはない。まさに、時代は、かくのごとく詩を解さないのである。

夏は来た。雲を見、その下に横わる曠野を想い、流るゝ河を眼に描き、さらに生活する人々を考える時、郷愁豊かなる民謡の自ら念頭に浮ぶを覚える。永遠に、人は、土を慕い、自由を求めてやまないのだ。一切の虚偽を破壊するものは、常に、心の底に流れる、この単純化のロマンチシズムであることを忘れてはならない。