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へいわじぎょうのしょうらい

平和事業の将来

大隈 重信

線上閱讀大隈 重信《平和事業の将来(へいわじぎょうのしょうらい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,320 字 · 23 頁

青空文庫

なかなか酷い目に遭わせる。第一諸君がナタールへ御出でになると、立派な学問をして充分なる金を持っている人が、商売のために行くと、まず第一に試験をする。学術の試験をする。体力の試験をする。そうしてなんでも五磅か六磅の税を取られて証書を貰う。その証書は二つ拵えて、ちょうど昔日本で大罪人に手の判を捺させたように、手の判を捺して取っておく。また写真を撮っておく。写真は今では日本の監獄でもやっている。その写真を証書に貼りつけ、それに拇印を捺させて、一枚は先方に置いて、一枚は本人に渡す。それを以て自分の商売の目的地に旅行しなければ、動くことが出来ぬのである。第一英語が出来ないと、如何なる大金持でも追っ払われてしまうのである。然るに、白人であれば、日本は世界の一等国というが、二等国、三等国、ほとんど名もないような国の人、そういう所にも、色の黒いものもいる。葡萄牙などは日本人より黒いが、それでも白人と同一の待遇を受けて、労働者でも金持でも、傲然と税関を通る。ところが、日本人は通さぬ。写真を撮られて、手の判を取られて、大変な税を取られて、僅かの商売品を以て営業をするの外は仕方がないというので、これが世界中で一番ひどいようである。