輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ひらがげんないとりものちょう
平賀源内捕物帳
久生 十蘭
線上閱讀久生 十蘭《平賀源内捕物帳(ひらがげんないとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 16,946 字 · 34 頁
……あんなのを悪縁とでも言うのでしょうか、里春はもと櫓下の羽織で、春之助といったら土州屋さんもご存じかも知れない。評判の高かったあの松葉屋の春之助のことです。……七つも齢下の定太郎にじぶんの方から首ったけになって二進も三進もゆかぬようになり、商法の見習で定太郎が大阪へ行けば大阪へ、名古屋へ行けば名古屋といったぐあいに、あっちこっちしてる間じゅうこの五年越し影のようについて廻り、定太郎の年季が終って江戸へ帰って来ると、十三丁目と背中合せの箪笥町で清元の師匠をはじめたんです。……気の毒だといったらいいのか馬鹿だといったらいいのか、わたくしには何とも言えません。……佐渡屋は、四谷、麹町でも名の通った旧弊な家風。じぶんの相続人に五年も他人の飯を食わせて商法の修業をさせるほどの親父なんだから、山ッ気のほうは兎も角として、芸者の、師匠のとそういった類をどう間違ったって、家へなぞ入れようはずがない。そりゃア、里春のほうでも百も承知なんだが、矢ッ張り諦めきれないと見える。……あまりいじらしくて、この話ばかりはまだ誰にもしたことはなかったんですが、ちょうど二十日ほど前、町内に寄合があってその帰り途、佐渡屋の前を通りかかって、何気なくひょいと門口を見ますと、戸前に大きな犬のようなものが寝ている。