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ゆうれいせんのひみつ

幽霊船の秘密

海野 十三

線上閱讀海野 十三《幽霊船の秘密(ゆうれいせんのひみつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 30,846 字 · 62 頁

青空文庫

「船長、これを見てください。この手首は、なにか手紙らしいものをしっかと握っています」

「おおそうか。こっちへよこせ」

船長は、局長と二人がかりで、その手首がつかんでいる手紙のようなものをひき離した。それはたしかに手紙だった。手帳を破ってそのうえに走り書にしたためたものであった。手首がとんでも、なおしっかり握りしめていたその手紙というのには、一体何が書いてあったろうか。

「おお、これは丸尾が書いたものだ」

船長が、びっくりしたようにいった。

「うむ、これはたいへんなことが書いてある。――“「幽霊船』ニチカヨルナ。ワレラハ”ちえっ残念! そのあとが破れていて分らない。次の行になって“ハ、人間ヨリモ恐ロシイ”で、またあとが切れている」

幽霊船に近よるな、吾等は……? 人間よりもおそろしい……? ――これが、丸尾技士の遺書だった。

「さあ、どういう意味だかよくわからないが、――」と船長はいって、「とにかく、幽霊船に近よるな、人間よりも恐ろしい奴がいるぞ、注意しろ――と、こういうわけなんだろう。丸尾は、われわれを助けようがために、こんな身体になるまで頑張ったんだ。