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いくどめかのさいご

幾度目かの最期

久坂 葉子

線上閱讀久坂 葉子《幾度目かの最期(いくどめかのさいご)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 59,103 字 · 121 頁

青空文庫

私は、緑の島と視線をあわせ、一言二言しゃべりました。いつものように、緑の島の、私への愛情をその瞳に感じました。だけど私は、私の目はもう何の誰に対する目と一しょだったでしょう。そして、廊下に、鉄路のほとりらしき声をきき、その時こそ、私の瞳は輝いたことと思います。会いました。打ちとけるように私は、もう片意地もすてて、ほほえみました。自然にほほえんだのです。緑の島が部屋を出て行ってから、鉄路のほとりははいって来ました。私は、彼に手紙を渡しました。丁度、作曲家の彼が、青白き大佐と面会しなきゃならぬ用があり、私は、青白き大佐との喫茶店へ又電話をかけ、大佐に居るように伝えてほしいと云いました。私と、鉄路のほとりとは口をききません。彼はすぐに私の手紙をよんでました。作曲家の友人と三人で、私達は道をよこぎり、青白き大佐の待つところへ行ったわけです。道で、私は、もう何も云わないで下さい。と鉄路のほとりに云いました。彼はうなずきました。それから小一時間もして、閉店でおん出され、少しのみに行ったのです。そして終電車まで居りました。省線の駅で、私と青白き大佐と作曲家は、鉄路のほとりをひきとめ、神戸へ行こうとさそいましたが、遂に彼は、ちがうプラットの方へあがってゆきました。