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やくにんがくさんそく
役人学三則
末弘 厳太郎
線上閱讀末弘 厳太郎《役人学三則(やくにんがくさんそく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 86,454 字 · 172 頁
を持つからである。世の中にはよく、「大学で法律を習ったけれども今では皆忘れてしまった、法律など覚えているうちは本当の仕事はできない」など言って得意になっている人――例えば中年の実業家など――がいるけれども、彼らが忘れたと言っているのは法典法条に関する知識のことであって、彼らが法学教育によって知らず識らずの間に得た法律的に物事を考える力は、少しも失われているものではない、否、むしろ実務取扱い上の経験によって発達しているのである。のみならず、その力が全く身についてしまったため、自分では特にそれを持っていると意識しないほどになっているのである。
これを要するに、法学教育は一面において、法典、先例、判決例等すべて法律的に物事を処置する規準となるべきものの知識を与えると同時に、他面、上述のごとき「法律的に物事を考える力」の養成を目的とするものであるにもかかわらず、とかく一般人にはこの後の目的が眼につかないのである。先日三上文学博士が貴族院でされた演説のなかで、法科万能を攻撃し、法学的素養の価値を蔑視するような議論をしているのも、畢竟この種の認識不足に基づくのである。