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やくにんがくさんそく
役人学三則
末弘 厳太郎
線上閱讀末弘 厳太郎《役人学三則(やくにんがくさんそく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 86,454 字 · 172 頁
は実に法律進化の仲介者たる役目を勤めているものであることがわかります。イギリス歴史学派の創始者 Henry James Sumner Maine はその名著『古代法』の中において、またドイツ社会学派の鼻祖 Jhering は不朽の大著『ローマ法の精神』の中において、この事実を指摘しています。そうして幾多の実例を古代法律の変遷現象中に求めています。しかしこの現象は決してひとり人智未開な古代にのみ限った事柄ではありません。文明が進歩してきわめて合理的に思惟し行動しうるようになったとうぬぼれている近世文明人の世の中にも、その事例は無数に存在するのです。
例えば「過失なければ責任なし」という原則は、ローマ法以来漸次に発達して、ことに第一八世紀末葉このかた全く確立するに至った原則です。現にわが民法にも欧米諸国の法律においてもこの原則が明らかに採用されています。けれども、最近物質文明の進歩、大工業の発達とともに、使う本人にとってはきわめて便利ではあるが、他人にとってはきわめて危険なやっかいな品物が、かなりたくさんに発明されました。また一般文化施設の必要上どうしても使わねばならぬ――否、少なくとも使えば便利ではあるが――その結果とかく他人に損害を与えやすいものがたくさん発明されました。