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のちのなりひらぶんじ

後の業平文治

三遊亭 円朝

線上閱讀三遊亭 円朝《後の業平文治(のちのなりひらぶんじ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 109,545 字 · 216 頁

青空文庫

段重々恐れ入ります、尚(な)お此の上一言(いちごん)申し聞けとう存じます故、御免を願い奉ります」

奉「ウム」

文「これ一同よく承まわれ一人(いちにん)ならず三四人を一時(いちじ)に殺すというは剣法の極意(ごくい)を心得て居らんければ出来ぬことじゃぞ、技倆(わざ)ばかりではなく、工夫もせねばならぬ、まして夏の夜(よ)の開放(あけはな)し、寝たというでもなし、さア貴様たちは何(ど)うして切込んだか、その申し口によっては御検視に御吟味をお願い申そうが、何うじゃ」

森「何うでも斯(こ)うでも其の時ア夢中でやッつけた」

と臆面(おくめん)もなく自分の身に罪を引受けようと云う志は殊勝(しゅしょう)なものでございます。

七

文治は少しく声を荒(あら)らげ、

文「これ森松、夢中で人が殺せるか、貴様の親切は辱(かたじ)けないが、人に罪を背負(しょ)うて貰(もろ)うては此の文治の義理が立たない、控えてくれ、お役人様、恐れながら申上げます、全く此の文治の仕業に相違ございませぬ、お疑いが有りますなら誰(たれ)と誰を切りましたのか、一々御吟味の程を願い奉ります」