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おたか

御鷹

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《御鷹(おたか)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,767 字 · 18 頁

青空文庫

四

御処置、白翁も満足いたしました』

手をたたいて、奥へ、

『これ、娘、茶が冷えたぞ』

四

白翁の家庭を見れば、禄こそゆたからしいが、いかにも、一日もはやく、聟でも迎えて、孫でも見ねば、老後がさびしかろうにと、新五左は、それも弁馬の所為が邪魔して取りおくれているのかと思うにつけ、よけいに、相済まなく思った。

『粗菓でござりますが、どうぞ』

うつつだったが、気がついて、

『もう、お構い下さらずに』

新五左は、ふと、お悦を見て――もうこの娘が乳母の手にある頃から見ているのだが――今日はひどくその成長と女になっている美しさが目についた。

お悦は、最後の茶を、父の前に置いて、そのまま、何か客の耳にとどかないような低い声で囁いていた。

『ウむ……吹雪か……そうそう。近いうちに駒場の御鷹じゃの、角三郎に手飼わせておいたが、何んなあんばいか、わしが行って見たいにもこの体じゃ、そなたが参って取りよせて来たがよかろう。仲間を連れて行け、仲間をな』

『いえ、近うございますから……』と、すぐ客のほうへ挨拶して、何処かへ出て行った。

『新五左、わし等も、おいとまをしよう』

『まあ……』

白翁はとめたが、二人は、居心地もなかったのである。