輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
線上閱讀小酒井 不木《怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集(みっつのあざ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 196,140 字 · 396 頁
「ここは禅寺で、私一人しか住んで居りません。何故そんなことをきくのですか」
私はそれをきいて、全身に所謂粟を生じたように思った。
「そうですか、でも、先刻、私がこちらの境内にはいった時、すぐ近くで子守唄が聞えましたから」
これをきくと、坊さんの顔の色がさっと変った。
「え? 本当ですか」と坊さんは、火鉢の方へのり出して来てたずねた。
「本当ですとも、唄の文句もはっきり聞えて、不思議にもそれをみんな記憶して居ります。ねんねこや、ころころや、……」
「もうわかりましたよ」と坊さんは私の言葉を強く遮った。「夜分でしたから、あなたは、向って左手に墓地のあるのを見なかったかも知れませんが、その子守唄はその墓地の下から聞えてくるのです」
「ええっ?」と、こんどは私がびっくりして一膝乗り出した。
「いや、びっくりなさるのも無理はありません。今の世に、幽霊や化物の話をすると、誰も本気では相手になってくれませんが、世の中には、理窟では解釈の出来ぬ不思議な現象があるものです。この寺には、今から三年ほど前になくなったある狂女と、その赤子と、狂女の可愛がって居た犬とが一しょの墓に葬ってあるのですが、その墓の中から、時々、夜分に、その子守唄が聞えるのです。