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かいせいガン

怪星ガン

海野 十三

線上閱讀海野 十三《怪星ガン(かいせいガン)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 113,544 字 · 227 頁

青空文庫

かれは、じぶんだけで、一つの夢を持っていた。ぜっこうのチャンスの夢であった。まんいちその夢がほんとうになるならば、そのときは本艇はいつでも出航できるように準備ができていなくてはならないのだ。

さもなければ、あたらぜっこうのチャンスをとりにがしてしまうであろう。が、その夢が現実になる公算は、ほんとに万に一つの機会であった。いや、万に一つどころか、億に一つかも知れない。常識で考えると、いまは本艇やその乗組員の運命は絶望の状態にあるとしか思えないのであった。

それにもかかわらず、テッド隊長は、『出航用意』を命令したのであった。

乗組員たちは、この命令にせっして、目を丸くしない者はなかった。そして、それにつづいてかれらはこうふんのいろをあらわし、いつもとはちがって、年齢が五つも若返ったように元気づいた。

「うれしいね、出航用意だとさ」

「出航用意か。いつ聞いても、胸がおどるじゃないか。さあ、いこう」

「出航用意だぞ、出航用意だぞ」

機関室は、火事場のようないそがしさだった。全員は、本当に出航する顔つきになって、小さいエンジン類からはじめて、だんだん大きなものを起動していった。